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"Calico Cat" by santanartist is licensed under CC BY 2.0

日本には猫を題材にした/猫がよく登場する小説が多数あります。
日本の小説家と猫について海外の掲示板で語り合っていました。

引用元:reddit.com

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●投稿主
日本の作家と猫への偏愛について。
1905年、夏目漱石は猫の目を通して日本文化を見つめたもったいぶった語り口の短編小説を書いた。
その小説は評判になり読者はもっと読みたがり、間もなくそれは『吾輩は猫である』というタイトルの書籍となった。
そしてそれが日本文学の特徴となるものへの門戸を開くことになる。
即ち、猫。

漱石の弟子である内田百閒は行方不明になった猫を見つけようとする自身の実話を本にしている。
谷崎潤一郎は1936年に中編小説『猫と庄造と二人のをんな』でそれに続いた。
これは別れた夫婦が愛猫のリリーを巡って争う物語だ。
村上春樹は自分が不在の時に猫の世話をしてくれた出版社の上役に執筆することを約束した。
それが日本文学界にセンセーションを巻き起こした『ノルウェイの森』(1987年)だ。
『ねじまき鳥クロニクル』(1994年)は愛猫を探す男性を追った物語だ。
猫は『海辺のカフカ』(2002年)や他の村上春樹作品でも頻繁に登場している。

平出隆の『猫の客』(2001年)は若いカップルの元に訪れる猫を描いている。
川村元気の『世界から猫が消えたなら』(2012年)は恐ろしい疑問を問いかけている。
もしも猫(それ以外の物も)がこの世から消えてしまったら。
それは日本の作家にとって恐ろしいことだろう。

有川浩の『旅猫リポート』(2012年)は猫と飼い主が一緒に旅をする物語だ。

最後は最近翻訳もされた夏川草介の『本を守ろうとする猫の話』で締めくくるのが良いだろう。
本を守ろうとする人間の言葉を話すトラ猫が登場する物語だ。

そして猫は日本の文学界を大いに助けてもいる。

●comment
宇多天皇は889年に猫に関する日記を書いている。


日本の猫好きは長い歴史を持っている。

●comment
猫は1600年代の民間伝承にも数多く登場してる。
猫をベースにした妖怪も4体以上いる。
猫は年を経ると尾が2本に別れた猫又となり、人を殺してその人に成り代わるという迷信に加えて(そのままでも超自然的に見えるほどの)自由奔放な性格から民間伝承で人気となっている。
自分が好きな猫の妖怪は普通の猫なら見向きもしない行燈の油をぺろぺろ舐めるというもの。
当時の日本の灯り用の油は魚脂から作られていることを知らないと奇妙に感じるだろうな。

●comment
というか日本は国全体が猫好きだ。
当然猫に関する書物だって書く。

●comment
↑日本の文化はよく知らないけど言われてみればyoutubeで見かける猫のおもしろ動画は日本発のものが多いな。

●comment
日本の猫にまつわる読み物をもっと読みたいなら『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』がお勧め。
猫と暮らすことになった内向的な小説家を描いた漫画だ。

●comment
『源氏物語』でも猫が興味深い役割を演じてるね。
遊んでいた猫が御簾を上げてしまったせいで光源氏の若い妻である女三宮と彼女に恋い焦がれる柏木と目があってしまうという場面がある。
柏木は後に女三宮の代用品としてその猫を譲り受け、最終的に密かに連絡を取り合うようになる。
女三宮と柏木の密通が主要なプロットだ。

●comment
投稿主の疑問には答えられないけど紹介してる小説はほぼ全て読んでる。
reddit内を検索してみたけど『吾輩は猫である』について語り合ってる人はあまりいないみたいだ。
今まで読んだ小説の中でも特に面白い作品だと思ってるけど。

猫の古風な言い回しで笑わせつつも20世紀初頭の日本を凄く独特な方法で描いている。
(猫の視点から見た)哲学が全体を通してあるけどだるくなったりすることはない。
おすすめだよ。

●comment
↑(日本に行きたがっている)弟のために買ったところだ!
今年の夏まで聞いたこともなかったけど買って30分しないうちにこのスレッドに行きついた。

●comment
漱石の『こころ』と比べてどんな感じ?
『こころ』はそんなに好きじゃないんだけど。

●comment
↑全然違うね。

●comment
何年か前に『吾輩は猫である』を読んだ。
面白かったけど……上手くいえないけどなんかそれ以上のものを感じた。
おそらく文化的なものだろうし、当時の漱石の作品にはないものがあると思った。
でも恐ろしく皮肉屋な猫は今でも好きだ。

●comment
『猫の妙術』(※wikipedia)には凄まじい技術を持った猫が登場する。

●comment
猫は素晴らしいからだな。

●comment
作家が猫を好きなのは猫が最高だからだろう。

●comment
伊藤潤二も猫日記を描いてる。

●comment
どれか読んでみようかな。

●comment
↑同じく。
読書リストに登録した。

●comment
ありがとう、紹介されてる小説をチェックしてみよう。
新型コロナウイルスでロックダウン中に『吾輩は猫である』のオーディオブックを聞きながら無人の街を散策しながら猫のグラフィックアートを探したことがある。

●comment
子供の頃に読んだ本の中に小泉八雲の『猫を描いた少年』がある。
名著だよ。

●comment
可愛くて好奇心旺盛な生き物の話を読みたがらない人がいるのかって話だ。

●comment
アメリカの作家だったら犬への偏愛だな。

●comment
↑正しい。
『野性の呼び声』、『Where the Red Fern Grows』、『黄色い老犬』……どれも有名な犬の小説だ。
100年以上前から続いている。

●comment
文化が違えば大事にするものも違うというわけだな。

●comment
前からなんで日本には猫にまつわる小説が多いのか不思議だった。
ここで挙がってるのは何冊か読んだことはあるけど残りも読んでみようと思う。
ニック・ブラッドレイの『The Cat and The City』もお勧め。
彼は日本人ではないけどこの作品は日本と彼が学んだ日本文学へのラブレターになってる。

●comment
↑日本人は穀物によって生きてきたからじゃないだろうか。
猫は穀物を食べるネズミを捕ってくれるから。

●comment
和歌山電鐵には猫の駅長もいるしね。

●comment
サラ・アーチャーの『Catland』が面白いぞ。
日本の猫文化を紹介してる。

●comment
(すでに指摘されてるけど)日本には猫と結びついた文化があるから猫にまつわる本も多いんだろうけど、個人的には作家が猫を好きなんだと思う。
猫は優れた観測者であり、冒険家であり、静かでもある。
猫のように動けたらもっと良いものが書けるんじゃないかと思ってしまうこともある。

●comment
本だけじゃないぞ。
アニメの『猫の恩返し』や『泣きたい私は猫をかぶる』なんかもかなり猫に焦点を当ててる。

●comment
文学だけじゃなく猫は日本の中でかなり象徴的な存在だからね。

●comment
猫好き。

●comment
もっとも有名な日本人近代画家である藤田嗣治は裸婦と猫の絵が特に有名だ。

●comment
有名なホラー漫画家の伊藤潤二も『伊藤潤二の猫日記よん&むー』という短編漫画集を描いてるね。
作者のトレードマークである病的でねじれたスタイルと日常風景が同居してるから凄く楽しい。

●comment
漫画『熱帯魚は雪に焦がれる』にも主人公たちが猫の島に行く話がある。

●comment
↑猫の島は現実にあるぞ。

●comment
前に同じことが気になったな。
なんで日本の作家はこんなに猫に嵌ってるんだろうと。

●comment
今日そのことに気付いたところだ。
大きな書店の日本の書籍コーナーに行ったら猫に関する本がたくさんあって、どれもキュートで読んでみたくなった。
残念ながらその時は年末に読もうと思ってた本を買うお金しか持ってなかったけど。

●comment
素晴らしい投稿をありがとう。
『レンタネコ』という素晴らしい日本映画もあるぞ。






海外の読者が気になるほどに猫の登場する日本の小説は多いようです。
小説だけでなく漫画やアニメ、映画、ドラマ、ゲームなどあらゆる媒体に猫が登場しています。
追記:おすす円→おすすめに修正、ご指摘感謝です。





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おじさまと猫 7巻通常版 (デジタル版ガンガンコミックスpixiv)