24: 本当にあった怖い名無し:2010/08/11(水) 05:00:41 ID:IEMWKn6w0
階下の住人
以前、アパートで一人暮らししていたんだが、階下の住人がヤバかった。
「てめぇ、ドスドスうるせぇんだよ!」
鬼のような形相でうちに怒鳴り込んでくるのだ。

「体操でもやってんのか?? 眠れねぇよ! 下の迷惑も考えろッ!」
掴みかからんばかりの勢いでまくしたてるんだが、
俺は家にいるときはゴロ寝で本ばかり読んでたし、
間違ってもドッタンバッタンしてない訳で合点がいかなかった。

でも、相手は怒り狂っているしヤー系の風体。
半端なく怖いので、合点がいかないながら、いつも謝罪してはどうにか帰ってもらっていた。
神経質な人なのかな・・・。
そのうち、彼が怒鳴り込んでくる事がなくなったかわりに、妙な
「ドスッ! ドスッ!」という音が聞こえてくるようになった。

床からだ。
という事は、階下の住人が、何かを天井にぶつけているに違いない。
うるせーのはそっちだろ! いや・・・これはもしかして、俺への仕返し・・・?
なんか気味が悪くなって、どうしようコレと悩んでいたところ
階下の住人が唐突に逮捕された。町中で知らない人を殴ったという。

彼は重度のシャブ中で、かなり精神を病んでいたらしい。
俺がうるさいというのも幻聴・幻覚の類いだったに違いない。
そして、大家が教えてくれたんだけど、ゴミで散乱した室内に
アルミの棒に出刃包丁をくくりつけた即製の槍があって、
それで執拗に天井を突いていたらしい。

天井は板や梁がすっかりえぐれ、クレーター状の穴になって
もう少しで俺の部屋の畳が見えるところまできていたらしい。
森


949 :1:2006/07/25(火) 01:43:33 ID:KjNlbivnO
逆恨み
心霊的なものじゃないが、
俺が院生の頃レポート作成に追われて深夜まで起きてた時、
外から女性の悲鳴が聞こえてきたのでふと窓を覗くと、
女性が若い男数人に襲われてた。

当時シャツにパンツ一丁(暑かったからね)だったので、急いで服を着てたら、
向かいの家の人が木刀みたいな物持って助けに行ったので、女性は軽傷で済んだらしく、
向かいの家の人にお礼を言って、駆け付けた警察から事情聴取を受けるためにパトカーに乗って行った。


951 :2:2006/07/25(火) 01:44:35 ID:KjNlbivnO
結局その時は犯人は捕まらず、逃げ去っていってしまった…。
その後、俺は結局レポート作成に集中できず、眠りにつく事にした。

その翌日、大学から帰って気を取り直してレポート作成に入ってると、警察が訪ねてきた。
内容は勿論、昨日の通り魔についての注意を呼びかけだった。

それから数日が経って、レポート作成も大詰めに入ってた時に、また外から女性の悲鳴が聞こえた。
外を見ると、やはり女性が二人の男に襲われてて、この時も向かいの人が木刀を持って行ったのだが…


952 :3:2006/07/25(火) 01:46:27 ID:KjNlbivnO
その時はこの前と違い、犯人達は抵抗し、路地裏までもつれこみ、俺の視界から完全に死角になっていた。
その後も、怒声が聞こえたがすぐに止み、路地裏から車が猛スピードで飛び出して行った。

俺はその後、すぐに服を着て外へ出た。
現場にはパジャマ姿の野次馬がたくさんいたが、向かいの人はいなかった。
俺は隣人の女性Aから話を聞くと、どうも犯人に連れてかれたとの事。
それを聞いて俺は、背筋が凍りつくような思いがした。


956 :4:2006/07/25(火) 01:47:40 ID:KjNlbivnO
すぐに警察が駆けつけ、事情聴取を受けた。
幸い車のナンバーは見ている人がいて、すぐに犯人の家が特定され御用となったが…
誘拐された向かいの人は既に殺されていた…

後に向かいの人の同居人の話によると、犯人はあの時、向かいの人に追い払われたのを根に持っていて、
囮の女性を使ってまでして誘きよせたそうだ。
もしあの時、俺が先に助けに行ってたら、殺されていたかもしれない。



42 :本当にあった怖い名無し:2008/10/03(金) 10:51:50 ID:Sn31HN9QO
井戸の壁
小3の時だから、もう10年以上前の話。

片田舎に住んでたこともあって、ゲームとかよりも外で遊ぶことの方が多かった。
特に小1から仲の良かった俺、A、B、Cの四人は、
リーダー格だったCの家に隣接してる結構深い林で、ほぼ毎日太陽が沈むまで遊んでた。
何年も遊んでたお陰で、林の構造は熟知してたつもりだった。

ある日、いつものごとく林に入って遊んでいると、急にAが居なくなった。
もしかしたら迷子かな?とよくあることだったので、来た道を戻りながら探した。
五分もしない内に、Cの家から500mくらいの所でAの横顔を見つけた。

俺「何しよーと?はよ行くばい」
A「んー、あんさ、こんな所に井戸やらあった?」
Aが指差した所に、確かに今まではなかったはずの井戸があった。
蓋が被せてあって、屋根?みたいなものから桶がぶら下がって、蓋の上に置いてあった。

A「な?なかったやろ?」
Aの言葉に少し恐怖を覚えたけど、さすがは子供、恐怖はすぐに興味に変わって、蓋を開けてみることにした。
井戸はたぶん直径1mくらい。底が辛うじて見えるから、そんなに深くはなかった。


47 :本当にあった怖い名無し:2008/10/03(金) 11:03:39 ID:Sn31HN9QO
C「なぁ、懐中電灯もあるし、誰か降りてみらんや?」
Cの提案に賛成して、一番小柄だった俺が降りることになった。
桶の縄にぶら下がって降りていくと、意外と井戸が深いことに気付いた。

上から三人が覗いてるのが見えるけど、すごく小さく感じた。
井戸の底には落ち葉がいっぱい貯まっていて、何故かどれも乾燥してなくて真新しかった。
B「なんかあるー?」
手渡された懐中電灯の光で辺りを照らすけど、大したものは見つからなかった。

俺「んー、なんもないよ」
そう答えようと上を見上げた瞬間、只でさえ暗かった井戸の中が真っ暗になった。
数秒何が起こったか理解できなかったけど、すぐに蓋を閉められたと気付いた。
俺「ふざけんなよ!開けんや!」
下から一生懸命叫んでも、一向に開く気配がなかった。

加えて運悪く、唯一の光源の懐中電灯の光が明滅し始めた。
泣きそうになりながら叫んでも、蓋は開かなかった。
そして遂に、懐中電灯の光が消えて真っ暗になった。
どうすることもできない状況で、狭い空間に真っ暗にされて閉じ込められた恐怖は創造に難しい。
頭が変になりそうになりながらも叫び続けた。


50 :本当にあった怖い名無し:2008/10/03(金) 11:16:55 ID:Sn31HN9QO
すると、今まで消えていた懐中電灯が、ふと光を再び灯した。
真っ暗だった空間に光がついたことで一気に安堵して、三人が蓋を開けるのをゆっくり待つことにした。
静かにしてればきっと三人は開けてくれるだろうと考えた。

壁に背を預けて座ると、目の前の壁が照らされた。
さっきは気付かなかったけど、取っ手みたいなものが少し上の方にあった。
縄を少し登って取っ手を引っ張ると、隠し扉?みたいに井戸の壁が開いた。
恐怖というより、忍者みたいですげー!という興奮の方が大きかった。

すぐに縄を降りて穴を覗くと、一気に冷や汗が沸いた。
四畳くらいの大きさの穴の壁一面人形、人形、人形。
種類も大きさもバラバラで、全部俺の方を向いていた。

恐怖で動けずに居ると、一番奥に何やら大きなものがあった。
少しずつ光を当てて行くと、徐々にそれは姿を現し始めた。
ぼろぼろになったズボンを履いた足、真っ暗な手とシャツ、胸まである髪、
そして顔を照らそうとした瞬間、髪の毛をいきなり捕まれて転けた。

心臓が飛び出るかと思うくらい跳ねて、泣き喚いた。
手当たり次第に手足をぶん回すと、何かにうつ伏せに押さえ付けられた。
手から離れた懐中電灯が、俺の胸に乗った人形を映したところで、俺の記憶はなくなった。


52 :本当にあった怖い名無し:2008/10/03(金) 11:34:21 ID:Sn31HN9QO
次に目を覚ましたのはCの家だった。目を覚まして一番に俺はCを殴った。
俺「バカ!くそ!死ね!」
文句言いながら殴っていると、Cのお父さんに止められた。
AもBもCも、みんな泣きながら俺に謝ってきた。

事の顛末はこうだ。
俺が降りた後、案の定Cの提案で、ちょっとの間蓋を閉めることに。
すぐに開けるつもりだったけど、いざ開けようとすると、さっきは二人で軽々開いた蓋が持ち上がらない。
三人がかりでもびくともしない。
何かやってしまったのかと思い、急遽Cがお父さんを呼びに戻った。
その間もAとBは、俺の叫び声を聞きながら開けようと必死だったけど開かなかった。

Cがお父さんを連れて来た頃には俺の声も消えて、AもBも疲れ果てていた。
開かないなら壊せ、ということで、大きなハンマーをC父が持って来ていて、蓋を叩き割った。
底には俺の姿は見えなかった。
急いでC父が下に降りると、壁の穴の中で人形に取り囲まれて、胸に人形を抱き締めた俺が寝ていたらしい。
引っ張り上げるのに、Bのお父さんも加勢に来たと。

そして今、俺が目を覚ますまで、AもBもCも1日中ついていた。
つまり、俺は丸1日寝ていた。

C父「ずっとここに住んどるけど、あんな所に井戸やらなかったはずやけど」
C父が言ったこの一言に、恐怖が再び沸いた。

そのあと、井戸は埋められた。
お坊さんも来てたから、たぶんなんかあったんだと思う。
一番奥にあったのは、誰かの死体だったのかも知れない。
今じゃもう分からない。
今でも井戸と人形には近付けない。マネキンとかでも冷や汗が出る。



5:本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 08:26:04.42 ID:9bOFu1si0
謎空間
結構前の話なんだけど、おばけそのものは出ないから見る人は怖くないと思う

俺が高校2年製の頃の話(6年くらい前)
その頃の友達と男だらけで夏祭りに遊びに行った
男子校だったんだからしょうがねぇだろと言い訳しておく

で、男3人ででかい公園で毎年恒例七夕の花火を見に行く事に
買食いしながらオタトークやら花火をみて無事終了
迎えに来た友人の兄の車に乗って帰ることに
でもなにか物足りないからもう少し遊びたいよなーって話に
既に迎えの車はこっちに向かってるからなぁ、って事で

肝試し

することになっちゃいました
車でいけるところで近場に、自殺で有名な心霊スポットのデカイ橋がある
やっぱ夜に行ったら怖いのかなーと気軽にいってみようぜという流れになった
で、友人の兄に話したら快諾、連れてってもらうことになった


6: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 08:27:48.06 ID:9bOFu1si0
いざ到着してみると、まだ人気が残る時間帯で交通量も多く全然手応えなし
もう少し遅い時間にまた来てみようということで一時ドライブを楽しむことに
友人兄の車でキャラソン入れたMDを豪快に鳴らし歌いまくる野郎3人+1
それにしてもこの馬鹿共、ノリノリである

友人兄「あれー、ここどこだっけ、あ左?曲がる?」
俺ら「遺影!遺影!イェイ♪」
友人兄「おk、だいたいわかった」
しばらくそうしていると友人兄の様子がおかしい
友人兄「あれー、まじここどこよ?看板もねぇし…」
俺らにも動揺が走る

いけどもいけども街灯以外の光が見当たらなくなってきてる
友人兄「ちょっとまじわかんねぇからどっかでUターンして引か返すわ」
俺らも満場一致でそうしよう、それがいい、方向音痴となじった
気を取り直して男だらけのオーケストラを再開
だがしばらくして全員が無言になった
来た時より時間かけて戻ってるのに、一向に風景が変わらない


7: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 08:28:50.64 ID:9bOFu1si0
「あーもうなんなの!まじあの糞フィギュア買う金でカーナビ買うべきだったわ!」
絶対こいつカーナビに金出さないなぁとは思いつつ誰も突っ込まない
どうしたらいいのかわからず無言で一本道を進んで行くと、行き止まり
まじかよおい、全員が嫌な雰囲気を感じ取っていた

明らかにおかしいんだもん
行き止まりで車止めてたら、変な声が聞こえてくる
いや、声が変なんじゃなくて、周りに誰も居ないのに集団がボソボソ喋ってる感じ
多分この声に気づいたやつから次々硬直していったと思う
俺らしばらく全員金縛りにあったみたいに微動だにしなかった

そして車がエンスト
その瞬間友人兄がやべぇって叫びながらキーを回すが何度やってもエンジン掛からない
うんともすんとも言わない
俺らも金縛りが溶けたかのように無責任に何やってんだよ、早く車出せと捲し立てる

ほんともう涙目
なんか世の中舐めてましたすんませんって感じ
でもどーしてもエンジンかからない
かといって車の外になんて飛び出したくもない


8: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 08:31:00.86 ID:9bOFu1si0
そしたら友人の中の一人がヤケクソになって
「がちゃがちゃきゅーーーーーーとふぃぎゅあっとぉぉぉぉぉ↑(爆音)」
さっきまで掛かってたガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイトを歌い出した
なんかよくわからんが俺らも乗るしかない、このビッグウェーブに!

全員が大熱唱、もう気が狂うほどに
しばらく歌ってたら回してもないのに勝手にエンジンが掛かった
友人兄「いよっしゃーぁぁ!バック全開!」
バックに猛ダッシュする車!したたかに顔を打ち付ける俺ら!
「勝ちました!勝ちました!」
そんなことも気にせず喜ぶ俺ら!

しかし車を物凄い衝撃が襲った

俺らはまた硬直した
今度はなんだ、もう勘弁してくれ
振り向くと車は来た時には絶対になかったT字路で電柱に衝突してた
大変な事故だが、俺らは全員元の世界?に戻ってこれた喜びに震えていた

今でもあの謎空間は謎のままだ、固有結界説が濃厚と事情通
ふざけて書いてるけどあの時はマジで怖かった



12:
本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 09:49:43.38 ID:kmA2qHP50
>>8
定型パターンですが面白かったです。
私も似たような体験が有ります。
マイカー通勤していた時ですが何時もの帰り道なのに
何故か同じ道を何度も回り抜け出せませんでした。
普段なら1時間以内で帰れるのに3時間も掛かってしまいました。
コンビニ前で途中1回休憩してコーヒー飲んで帰りました。



27:
本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 14:51:14.83 ID:5ZCiXqNl0
>>8
マザー2の幽霊トンネル抜ける話思い出した



60:
本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 22:21:41.56 ID:zjpVYgud0
平家の隠れ洞窟
これは、山陽の某洞窟で体験した話です。長いですがお許しください。

いわゆる、秋のオートキャンプだった。
大学の寮内バカメンバーだった広島のヤツらと3人で、
山陽にあるオートキャンプ場で、久しぶりに集まって一杯やろうか!という話になった。
テントやらコンロやらをワゴンに詰め込んで、車内で昔話で盛り上がってるうちに、
山奥のすばらしいキャンプ場に着いた。

テントを張って、晩飯の仕込みをし、その間にも昔話で盛り上がってた。
そうこうしているうち準備も終わり、まだ時間があるんで、
ちょっと周辺を観光しようか、という話になった。
ドライバーのヤツは、寝とくわと言ったので、二人で散策することにした。

キャンプ場からものの5分のところに、大きな洞窟が口をあけていた。
古びた看板を読むと、こんなことが書かれていた。
「ここは、源平合戦のおりに、平家一門が隠れ住んでいたという伝説がある洞窟です」と。
そして看板のそばには、ちいさなほこらがまつってあった。

へぇ~、こんな薄気味わるいとこに、よう隠れとったなぁ。
そうじゃの~。なんて会話してて、ふとそいつに話したくなった。
「オレのご先祖に、平家の落人がいるらしいで」
そいつは、ふ~ん、と流した。本当のことなのになぁ。


61: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 22:23:24.29 ID:zjpVYgud0
そのときだ。オレの頭の中に言葉がささやくようにひらめき、
つい口をついて出てしまった。
「・・・おごれる平家は、久からずや。おごれる源氏もまた、久からずや。
・・・・世は、なべて諸行無常なり・・・・」
低い声だった。自分でもびっくりするぐらい。
でも、ヤツは聞いてなかったかのようだった。

じゃ、洞窟の奥に入る前に写真を撮るか、と、
ほこらと看板の前に立ち、入れ替わるようにして2枚撮った。
写真を撮りながら奥に進むと、いっそう不気味さは増した。
洞内のランプが途切れたその先は、飲み込まれそうな暗黒だった。
さすがに、これは進めないと、オレ達は引き返し、テントに戻った。


62: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 22:24:13.54 ID:zjpVYgud0
楽しい宴だった。ただ、ものすごい冷たい風に、みんな毛布にくるまってたが・・・。
そうこうしているうちに、眠くなり、テントに潜り込んで爆睡してしまった。
そして翌朝、気持ちのいい朝だった。
みな早く起きたので、きのう残っていたヤツに、洞窟に行こうと誘ったのだが、
めんどくさいとぬかしたので、また昨日のヤツと行ってみた。
2度目なので、今度は怖くはなかった。

20分ほどでテントに戻ると、残ってたそいつがニヤニヤしていた。
「なんや?」「おまえらのー、中でエッチなことしとらんかったか?w」
「おいおいホモじゃねーよ!」「いや、おまえらのすぐ後ろに、女がくっついて歩いとったぞw」
「・・・・どんな女?」「そーじゃのー、髪の長い美人じゃったw」
またこいつ、昔の悪いクセが出たなwと、オレ達は軽く流してやった。
「うんうん、いっぱいしてもらったよwwww」「えーのぉw」


63: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 22:25:16.28 ID:zjpVYgud0
数日後、できあがった写真を見て、我が目をうたがった。
ほこらの前の、同じ場所で撮った2枚の写真だった。
最初に写ったオレのまわりは、ただの洞窟の岩肌だ。でも、
同じ場所に立った友人の写真は、なんとも言いがたいモノが写っていた。

友人の右ひざに、15センチくらいの男の顔。
右斜め前に、烏帽子のようなものをがぶった2メートルくらいの男の首が横たわっている。
そして、友人の背後には、4~5メートルくらいの、女官のような長い髪の、巨大な女の顔。
源平合戦絵巻に出てくるような、武士や女官にそっくりだった。
その他、いろんなものがぐちゃぐちゃに混ざって、白いもやと共に写っていた。

・・・・・・・これは心霊写真か?
冷静だった。人間、本当に恐怖を感じると、感覚がマヒしてしまうことが、わかった。


64: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 22:26:22.32 ID:zjpVYgud0
すぐに電話した。いっしょに洞窟に入った友人は、「そんなのいらん」と言って、怒ってしまった。
もう一人の残ってたヤツに電話したら、「ぜひくれ!」というので、
そっちで処分してくれ!と、速達でネガごと写真を送ってしまった。

数週間して、そいつから電話があった。
ヤツはそれを会社に持って行き、大反響だったそうだ。
おいおい知らんぞ・・・・。
そして、あのあと気になっていた事を、思い切って聞いてみた。
「あのな、オレ達のあとに女がついて来たって言ってたな」
「うん、おったでw・・・・あ」


65: 本当にあった怖い名無し:2012/07/25(水) 22:27:26.10 ID:zjpVYgud0
その後、彼はネガごと写真を紛失してしまった。

そのあとに、我々に起きたことは、書きたくない。
ただ、オレは数年後ひとりで、再びあの洞窟に行き、
ほこらにお酒をそなえて「ごめんなさい!ごめんなさい!」と、
謝ったおかげか、今のオレ達には、とりあえずは不幸は来ていない。

おそらく、オレは平家の血を、本当に引いているのだろう、
そう実感した、出来事でした。



80:
本当にあった怖い名無し:2012/07/26(木) 01:55:04.61 ID:d3mw8CPO0
>>65
3人に何が起こったのか気になるわ
TATARI的なもの?



133:
本当にあった怖い名無し:2012/07/26(木) 23:05:18.11 ID:2NprBW530
飛ばしてました。すみません。
>>80
霊が現れてどうこうではなくて、本当にシャレにならないことが連チャンで我々に起きた、
ただそれだけです・・・期待させてすみませぬ。




820:
本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 20:45:58 ID:ErsFOF2o0
○○ガマ
9年前のある日、釣りに出かけていた兄が顔を蒼白にして帰宅した。
がたがた震えている兄に話を聞くと、「怖い思いをした。○○ガマへ
は行くな。あかんぞあそこは、コワイモンがおる。」と繰り返している。

あたたかい紅茶を飲ませ、母と話を聞くとこうであった。
兄はこの時期いつも釣りに通っているリアス式の湾内にこの日も朝からでかけた。
自分たちは○○ガマといって、このガマというのは平家の落人が日々の生活のため
塩田を切り開いた土地で、この地方にはいくつもそのような何々ガマという地名がある。

照葉樹林に囲まれた湾内の水面は鏡のように静かで湖のようにみえる。
そのようなリアス式の入り組んだ小さな小さな湾のひとつが自分たち家族が通い詰めた場所であった。

自分たちは○○ガマと呼んでいた。死んだ父と兄と自分で小さい頃から通い詰めた場所で、
知り合いなら竿二本。先客がいたら、そこで竿を出すのをあきらめなければならない
畳二畳ほどの小さい石積みがある。そこに行くには上のぐねぐねした細い道から
30mほどの獣道を下りらなければならない。

小場所だけに場所を知られるのを恐れた父は車を少し離れたところにとめて通い詰めるなどしていた。
十年ほど前からここに通うのは我々だけになってもここを発見されるのを恐れ
車は遠くに駐車するようにした。自分たちが小さい頃、父が見つけたこの場所は父が死んでも秘密の場所だった。

しかし、その場所はよくつれるのかというとそうでもなかった。ただし20m先の水深が4mでフラット。
底は砂地で自分たちの釣り方に合っていたし、春夏はうるさいほどウグイスが鳴き、
向かいにある廃業した真珠選別所でまれに漁師が網を干している以外はどこからもみえない。
よって、この場所は、GWでも盆休みでも人は来ず。
鏡のような湖面に浮かぶウキを見ていると、
それだけで癒されるような気持ちになるのだ。


822: 本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 20:50:54 ID:ErsFOF2o0
ともかくそこに兄は出かけた。そして昼飯を食べているときコワイモンを見たということであった。
そのコワイモン何だと聞いても答えない。
とにかく恐ろしい目にあった兄は飛ぶようにして崖を登り
車に乗って帰って来たということだ。

そこまで聞いて私はハッとした。「タモはタモは置いてきたんか!」「置いてきた、、、。」と兄。
タモの柄ははどうでもいい。タモワクは死んだ父が樅を曲げ作ったモノで、
自分たちにとっては形見のようなモノであった。


「取りに行くわ!」と兄と母に告げ車に乗り込んだ。
後ろからは二人の「やめとけ。」と言う声が聞こえたが、タモは譲れん。

晩秋の夕刻は、あっと言う間に日が沈み外はとっぷりと暮れていた。
「もう6時か。」その闇に少し驚きながら,車を出そうとしたら目の前に
近所の少しおかしい母娘が車出しの前に立っている。


「すいませんそこどいてくれません?」と声をかけるがこっちを振り返るだけで、ボーと立ちすくみどこうとしない。
いらいらしながら車で待つと少し冷静になってきた。今は6時。車で2時間。ガマに着くのは8時。
暗闇の中、獣道を下りていく自分の姿が頭に浮かんだ。少し怖くなった。
「やめとこ。あそこは誰にも知られてないし。明日明るくなっていけばいい。」と考えた。

その時、その母娘の家主がこちらにぺこぺこ頭を下げながら二人を連れて行った。
今思うと、この二人に助けられたように思う。
翌日、自分には時間がなかった。仕事があったのだ。4時の暗いうちに家を出る。
兄は今日は休むらしい。6時前にガマに到着。朝の光の中獣道を下る。
久しぶりだ、自分が最後に釣りに来たのはもう何年前か。

少しコワイモンのことが気になったが、この穏やかな光の中ではそんな思いは消し飛んでしまう。
はたして釣り具一式はあった。タモは!タモも釣座の後ろに投げ出されている。
ほっとして手早く釣り具を回収しなければと考える。カラスの声でコワイモンのことが頭をかすめる。
クーラーとダンゴ材が入ったバッカンが先だ、その後スカリと竿、タモで2往復で勝負を付ける。
クーラーを持とうとした。持ち上がらない。何が入っている!


823: 本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 20:56:33 ID:ErsFOF2o0
クーラーを開ける。ものすごい臭気が鼻をつく。中には何かの魚。
たぶんいわしミンチがたぷたぷとクーラーいっぱい入っている。
何日間も放置されたような腐肉のにおいが目と鼻を襲う。
「なにやっとるんだ。」兄に対する怒りが頭の中を支配する。

しかし「これは兄がしたことなのか。何でいわしミンチ?何で腐ってる?」
と考えるが兄に対する怒りが頭の中を支配していた方が怖くない。
無意識のうちにそう考えていた。
「どうする?あきらめるか。クーラーはあきらめる。とりあえずリールと
タモワクは持って行こう。いやタモワクだけでいい。」と考え
タモワクをつかみ戻ろうとしたとき後ろのタブノキに首つり死体を発見した。

自分に背を向けている中年。ベージュのジャケット。足は地面に着いている。
しかし死んでいるのは間違いない。なぜなら恐ろしいほど首が伸びている。
釣座に行く時は、タモが気になっていたし、木の陰だったので気づかなかった。
自分はこれを見て少しほっとした。「兄のコワイモンはこれだった。ただの首つり死体。

釣りをしていて気づかずに、昼飯時にふと後ろを見て錯乱した。たぶんそんなところだろう。」
そう考えながら死体から目を離せないでいた自分は少し冷静になりそして気が重くなった。
「この忙しい時期に。今日は仕事休まなあかん。警察呼んで事情聞かれて
、解放されるのはいつのことやら。」「このまま、知らんぷりで行こうか?しかし、道具をおいて?
誰かに車を見られたかもしれない。やっかいだがしょうがない。」

なんだか死体に背を向けるのは怖くて、タモをもち振り返りながら道を上る。
「駐在があったな。」 車で1分ほどの所に集落があり、そこに駐在所がある。
しかし警察官は不在だった。ご用の方はここにメモするようにというバインダーに挟んだ紙とボールペン。
緊急の場合はここにという電話番号。またまためんどうくさくなった。


824: 本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 21:00:19 ID:ErsFOF2o0
駐在所を出ると道の向かい家で庭の手入れをする老人と目があった。
「なんか用なんか?いっつもおらんぞおまわりさんは。」と老人。
「人が死んどるの見つけたんですわ。首吊りですわ。ポンプの階段下ですわ。」
老人は、場所を伝えると確認してくるといって自転車でガマに向かった。

自分は警察に電話するようにいわれたので連絡を取った。しばらくして二人の警察官がやってきた。
事情を話し場所に案内する。しかし、そこに死体はなかった。
「あれっ、ここにあったんです。確かにおかしいな。」とたんに二人の警官はいぶかしげに私を見てきた。
「疑われるなこれは。」確かに見たのに、えらいことにはまり込んだ、、、。

と思っているときに老人が現れた。
「あったんです。」「でもないでしょう。」と話している自分たちに、
「ここにあったぞ首吊り死体。」と割って入ってきた。
老人の話では確かに死体はあったそうだ。
ベージュのジャケット。黒いズボン。足は地面に着いていた。

確認し自転車で駐在に戻っているとき。
パトカーとすれ違ったのでまた戻ってきたらしい。
しかし、死体はない4人の立場は様々だが、
やっかいなことに巻き込まれたという一点では共通していた。
警察は死体があると一人ならともかく二人が証言している。

しかし見渡してそれらしいモノはない。
自分ははやくこの状況を終わらせたい。
しかし下手に言説を曲げては怪しく思われる。
じいさんも見てしまったといったら、引っ込めにくいだろう。
結果として、その警察二人と応援も含めた幾人かが周りを探索した。

自分は不思議に思いながらこれ以上長引くのはこりごりだった。
最終的には見間違いということでうやむやになり、解放されたのは昼前であった。
じいさんが意外にがんばり、自分は確かに見た。自治会長をしているんだぞ。
などと言って言説を曲げなかったからだ。

自分は死体を見たことを自分自身信じられなくなった。ただ、うすら寒く感じるだけだった。
ともかく、警察がかえり自分たち2人は
「確かにあったよなにいちゃん。」「はぁ、、、。」といった会話し
老人は家に帰っていった。


825: 本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 21:03:34 ID:ErsFOF2o0
そこまできて、自分は「しまった。」と感じた。
釣り道具を片付ける暇は十分にあったのだが、その場所にいるのがいやで
上の道でいたのだ、警官たちがいる間に片付けとくべきだった。
一人であの場所に行くのは怖い。しかし、放置しておくのもどうか。

時間は正午。太陽は一番高いとこにある。お昼のサイレンが鳴る。
クーラーはだめだ。竿とリールは持ってこよう。
木漏れ日が美しい。風もなく湖面は鏡のようだ。
釣座に立つ。怖くなり周りを見回す。「早くこの場を離れたい。竿だけいい。」
その時始めて気がついたが、糸は海面に沈んでいた。ウキはない。竿をあおってリールを回す。

すると、根がかりしている。いや、竿をあおると少し動く。
まるでタコを釣った時のように重いが引き寄せることができる。
ウキが顔を出す。針にかかっていたものが姿を現した。
それは、魚網に入ったパンパンにはちきれそうな人の首だった。
男女の区別はつかない。あらく切られた首の切り口に見える骨。
網の下には半分に割ったブロックがオモリでついてきた。

その顔。かにが這いまわっている顔を首と認識したとき。
自分は腰を抜かしてしまった。熱いものを触った時のように竿を放す。
首は水面に没した。
その時。「ギャッギャーッ。ギャッギャーッ。」という鳴き声が耳に
入っていきた。しかし、その鳴き声はもっと前から聞こえていたかもしれない。

自分が鳥の声と思っていただけだったのかも。
腰を抜かして視線が上がり真珠選別所の桟橋の上に白いワンピースを着た女が目に入る。
「ギャッギャーッ。ギャッギャーッ。」女は両手で耳をふさぎ、あらん限りの声を発している。
なぜだかしらないがこの世のものではないことは確信していた。

こちらに背を向け短い髪を振り乱して叫んでいた。自分はどうして駆け上がったか。
腰を抜かしたまま崖を駆け上がる。
その中ほどで「ドブンッ、、、タプタプ。」と水面に何かが飛び込んだ音がした。
「オンナが海に飛び込んでこっちにくる!」そこから自分の記憶はあいまいになる。
よく事故をしなかったものだと思う。


828: 本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 21:06:48 ID:ErsFOF2o0
自宅近くの喫茶店で過ごし、少し心を落ち着ける。
家に帰ると兄は友だちとボーリングに出かけたそうだ。
のんきな兄に対する怒りがふつふつとわいてきたことを思い出す。
それから、数年たって兄は難病にかかり死んだ。父の退職金や母の蓄えを治療で食いつぶし死んだ。

死ぬ1カ月くらい前に兄にあの時の話を聞いた。
「何を見たん?」「何ってアレさ。首さ。」
「網に入ったのつったんやろ。網に入った首。」
「いや、ダンゴのバッカンフタをしとったらバッカンの中で音がする。
びっくりして腰を浮かしてそーとフタを開けると、中に首がおった。女の首。

ダンゴ喰っとった。サナギ粉まみれになってな。」
「あたまおかしくなっとるから信じやんやろ。そやけどホントのことや。」
薬のせいか、血栓のせいかときどき変なことをいうようになっていた兄は
自嘲気味に言った。「信じられへんやろ。」
「いや、俺も見たもん変なもん。」と自分が言うと、兄は真面目な顔になってこっちを見た。

この話を兄としたのが最初で最後だった。
自分は釣りをしなくなった。というか自宅より南に行くのが怖い。夜見る夢はいつもあの時のこと。何回リピートしたか。
しかし、兄の葬式が終わって、兄が震えて帰ってきたときのことを母に話すと、まったく母は覚えていなかった。

そして、あの事がホントのことか確信できなくなった。
自分では大変な勇気を振り絞ってあのじいさんに会いに行くことにした。
しかし、あの場所の前を通るのは怖いので遠まわりをして行った。
じいさんはいた。しかも自分を覚えていた。やはりあの事はあったんだ。

起こったことなんだと思うと、なんだか泣けてきた。
「あれからあそこに行きました?」と聞くとじいさんは
「あそこはあかん。変なとこやで。にいちゃんもやめとけ。」急に顔を曇らせていった。
父と何度も通った思い出の場所。死体のあったタブノキにも何回も登ったし、
小学校になるとノベ竿で小物釣りをさせてもらった場所。

それが恐ろしい場所になったことが悲しく感じる。
このことは自分はだれにも言っていない。でも、なかなか心の中に置いとくのは難しい。
だからここに書かせてもらいました。長文すいません。
ガマ=竈だそうです。



830:
本当にあった怖い名無し:2010/10/04(月) 21:14:04 ID:sDzRG+va0
久々に読める話だった、ありがとう

しかしその場所に一体なにがあったんでしょうかね
ずっと通い詰めていてなにもなかったのが突然そういうスポットになったというのは
なにかが住み着いたと言うことだろうが、
幽霊と言うよりは妖怪じみてるな。



957:
本当にあった怖い名無し:2010/10/07(木) 01:09:42 ID:ZYlYUuUVO
児童館
私は週に3日程、1歳の息子を近所の児童館で遊ばせるのを習慣としています。
いつもはお昼寝後の1時位から3時まで遊ばせるんですが、
その日は用事があり児童館に行くのは午後5時からと遅くなってしまいました。


そうなると児童館の利用者さんもだいぶ少なく、
私達親子の他は2~3組の親子が遊んでいるだけでした。


夕飯の支度もあるので時間が気になり館内の支柱に掛かっている
時計をふと見上げたら、男の子が張り付いていました。

支柱に。
有り得ないです。
床から2m程の高さの壁にペタリと四つん這いで貼り付き、支柱をぐるぐると這っていました。
(支柱はたぶん1.5m×1.5mくらい)


958: 本当にあった怖い名無し:2010/10/07(木) 01:10:35 ID:ZYlYUuUVO
私には「生きてるよな?」と思うくらい姿形がハッキリ見えるのに、
他の誰もこの異常な光景に気付きもしない。
ちなみに容姿は1歳半~2歳くらい?
テクノカットでオーバーオールを着ていました。

驚き過ぎてしばらく呆然としていたら、突然動きを止め、バッ!!
と首を上げ私と目が合いました。
声は聞こえなかったけど、こちらが男の子の存在に気付いたのが嬉しいらしく満面の笑みでケタケタ笑う(仕草)と今度は異常なスピードとテンションで天井や支柱を這いずり回り出しました。

もうその時点で私は恐怖の限界になり息子を抱え児童館を飛び出し帰宅しました。
もう怖くてそこの児童館行く勇気ないです…



604 :加害者は誰か・1:2008/12/15(月) 15:20:12 ID:b2vYchxo0
加害者は誰か
どうも自分の家系は、父母共にえらい因縁やら怨念を引き継いできたそうだ。
以下、寺の住職が自分や、あるいは親に話したもの。

まず母方の家系には、稲荷信仰をやってた先祖が憑いていると言う。
ただ、少し長くなるが、それは悪い狐が憑いたとか、そういう話ではないらしい。
「そもそも理解している人間が少ないが」と前置きされたのは、
「『神』は万能でも無ければ、無限に力を持っている存在ではないんだ」という事だった。

お稲荷様に限らず、誰かがお祈りやお願いに訪れると、
神はその願いをなるべく叶えてやろうと考え、参拝者に力を貸してやる。
ところが、ここで『借りた力を返しに来ない者』が必ずいる。
願いが叶った、努力が実ったと、お稲荷様等の神様にお願いした事を忘れる。

その話を聞いて、「その無礼な態度に怒って害を為すのか」と聞くと、そうでも無い。
この段階では、稲荷神は別に何をするでもなく、順番に力を貸してやるのだが、
そのうち、本人(本神?)の力が足りなくなってきてしまう。
こうなるともう、新しい願いを無視するか、先に力を貸した人から、無理に返してもらうしかない。
つまるところ、『借金の取立て』。今風に言えば『不良債権整理』だ。

稲荷信仰にどっぷり使っていたその先祖(商人)も、最初は上手くいっていたが、
そのうち『取り立てられる』側に回り、何もかもがうまく行かなくなって、身代を潰したと言う話だった。
まずそいつの借金と、感じている悔しさ、辛さが圧し掛かっていると言う。


605 :加害者は誰か・2:2008/12/15(月) 15:22:52 ID:b2vYchxo0
今度は父方の家系。こっちはもっと深刻だ。
戦国時代だか何時代だかは解らないものの、
私の先祖は位の高い武将……ではなく、そいつを討ち取ったようだ。
ただし、それは戦場での事。

もちろん褒美も出ただろうし、功を挙げて名も立っただろう。
だが、討たれた武将の家はそれで完全に傾き、一族郎党が路頭に迷い、
最終的にどうにもならず、全員死んでしまった。
これにまず恨まれている。

ところが当の先祖自身すらも、その事によって出世したは良いが、
彼自身か、その子孫なのかは良く解らないが、
父方の先祖もまた、高い地位を与えられた事による責任から、心労でダメになって家を潰した。
「毎日生きた心地がしなかった上、今でも辛い。助けてくれ」と泣きついてきていると言う。
辛い辛いだけで、子孫に八つ当たりしているのだ。

まだある。
他には、詳細は覚えていないが、
その先祖は正義感が強く、周囲の窮状を見て奮起し、世の為人の為に頑張っていたそうだが、
理想に実力が伴うかどうかは別の問題で、途中からどうにもならなくなっていった。
(先の討ち取られた武将一族の恨みとかが原因かも、等とも)

周囲の人間に失望されると自棄になり、
「俺はこんな頑張ってるのに何でだ。あんなに頼ってちやほやしたくせに、何で掌を返すように冷たくなるんだ」
と嘆いた挙句、自殺。
そいつがまた「お前らも俺と一緒になっちまえ」と、自分の子孫を呪っている。


606 :加害者は誰か・3:2008/12/15(月) 15:24:38 ID:b2vYchxo0
他にも殺された赤子やら(母方のお婆ちゃん曰く)、性悪女やら、あんまりな内容で、
それももう覚えきれないほどゴロゴロ出てくる。
流石に、幾らなんでも理不尽すぎると腹が立った。
とにかく、内容に八つ当たりや逆恨み、自分が原因であるパターンが非常に多い。
戦場で討ち取られて恨むなんて、侍のくせに潔くないと反発を感じたり、
自分が自殺したからって何で子孫を同じめにあわそうとするんだ、と。

そんな自分の言葉に答えて住職は、
「そもそも怨念や因縁が、理論的なものな訳無いじゃないですか。
殆どの場合、それは逆恨みや難癖で、相手に非があろうが無かろうが、
相手はそんな事に関係無く、一方的に暗い感情を溜め込むものだし、
対象を不幸にしたって、それで気が晴れたりなんかはしない。
数人で恨みを晴らして成仏するようなら、まだ良心的ですよ」と言う。
まさしく『末代まで呪ってやる』の世界そのもの。

更に都合が悪いのは、親戚を見回しても、自分と同世代が一人も居ない事。
妹が一人居るが、男性は自分一人。
何人かは結婚しているが、子供は一人も居ない。本人達が望んでいる場合でさえも。
結局、父方と母方で別々に受け継がれてきた怨念(?)的なものは、
最終的には、全部自分か妹へ、特に自分に来る可能性が高いと言われた。

まぁ、それだけなら迷信乙と言って済ます事も出来たのだが、
じゃあ、実際のところ何があったか、という話で、
普通大した事件は無かったり、偶然の事件が殆どかとも思うけど…


607 :加害者は誰か・4:2008/12/15(月) 15:26:51 ID:b2vYchxo0
母の家系は、父の家に比べるとかなりマシ(それでも少しアレだが)で、問題は父の家。
まず父方の家は、それはもう酷い家で、
父の母(自分にとってのお婆ちゃん)は、ある日突然父と父の兄を並んで座らせると、急に改まって、
「私は明日から狂いますから、明日からは二人の力で生きていきなさい」
と宣言し、そして実際におかしくなってしまった。

祖母は美人ながら、元々欝の気があったそうだが、もう完全にダメ。家事一つできなくなった。
自分がもの心付いた頃には、祖母(50代半ば)はもう完全にボケていた。
祖父もアル中で、祖母同様、もの心付いた頃にはボケていた。
(昨年、脳の半分が壊死して植物状態になり、一年ほどして死んだ)

両親同様、親戚(後に夜逃げ→消息不明)もロクデナシばかりだった為、
母が言うには、父は口癖のように「あんな人間(両親や親戚の事)にだけはなりたくない」とボヤいていた。
ところがその父自身、事故現場に直面しても、救急車を呼ぶ事すらしない人間。

それでもまぁその頃はまだ優しい所もあったらしく、両親は結婚。工芸関係の仕事を始めた。
自分が生まれ妹が生まれ、ちょっと小学校で苛められもしたが、まぁまぁ何とか暮らし、
何度かの引越しの後、家を建てようという事になり、家を建てた。

ところが、その家が傾いていた。土台の沈下で、現在進行形で酷くなってる。
更に、家を建てた建築会社がこちらを訴えてきた。
で、父はその後ショックで酒量が増え…色々省略。
重要なのは、きっかけそのものは、父に原因は無かったという事。


608 :加害者は誰か・5(終了:2008/12/15(月) 15:31:00 ID:b2vYchxo0
結局父は、その『なりたくない人間』そのものになった。
全部話してると長くなるので詳細はカットするけど、
人間としてのクズ要素を一通り備えていると想像してくれれば、現在の父の人物像はだいたい合ってる。

母は数年間、豹変した父に付き合いつつも一人で家庭を支えていが、流石に離婚した。
(元々離婚しろと喚いていたのは父だったのだが、保留していた)
住宅裁判で支払われた賠償金は全額借金の返済に充てる、という条件で父が受け取ったが、
株に使い込んで全部消えた為、自己破産を申請した。
(…と本人は言っているが、もう喋る内容が全て嘘か本当なのか分からない)

母方の親戚には連帯保証人を頼んでいた為、当然、母は親戚関係と絶縁状態に。
それでも、さあこれから新しい人生を、という時になってガン。
手術は成功したが、転移率が中々高いそうで、人生終了です本当に有難う御座いました。
自分は父とも連絡をとれる状態だが、連絡はとっていない。

…何が怖いかと言えば、自分が上の話を聞いていたのは前々からだけど、
だからそ逆に、そんな怨念に負けるか、気をつけて生きるんだ、と思っていた。
だが、父が「あんな人間にだけはなりたくない」とボヤいていた話は、つい最近知ったんだ。

そして自分もまた、「父のような人間にだけはなりたくない」と普段からボヤいていた。
若い頃の父の言葉をこの前母から聞いて、目の前が真っ暗になった。
何時か、何時か自分も、あのような人間になってしまうのではないかと。

という訳で俺は今、その傾いた家に一人で住んでいます。



5:本当にあった怖い名無し:2010/07/28(水) 11:33:22 ID:PYXx9DOM0
四度目
祖父が戦争中に中国で経験したという話

日本の敗色が濃くなってきた頃、祖父のいた中隊は中国の山間の道を南下していた。
ある村で一泊する事になり、祖父達下士官は馬小屋で寝る事になった。
(多くの兵は野宿だったので屋根があるだけ、上等だったらしい)
真夜中に馬が騒ぎ出し、灯りをつけてみると天井から身体は猿、顔は老婆の生き物がぶら下がっていた。

銃を撃ったが、まるで当たらない。
騒ぎに気づいた上官がやってきて、その生き物をみて驚きながらも土地の人間を連れてきて通訳を介し
「お前は何者か?何か伝えたい事があって現れたのか?」と尋ねた。

すると生き物は
「お前達の国は滅びる。だが三度の再生を果たすだろう」
と言った。

「それは吉予言か?」
「そうではないとも言え、そうだとも言えぬ」
「再生するのだろう?」
「四度目は無い」
そう言って、その生き物はするすると梁を伝い消えていった。
「追って捕らえますか?」と聞く祖父達に上官は「あれは常世の者では無い、ほおっておけ」と言ったという。

戦後を一度目の再生と考えるなら、残り二回か・・・・。
四度目は無いらしいからな。



10:
本当にあった怖い名無し:2010/07/30(金) 03:05:15 ID:zIJFW58r0
>>5
いいね
こういうの好きだ
滅びるのは残念過ぎるから外れて欲しいが
今は二回目の再生が必要な時期かもな



195:
本当にあった怖い名無し:2010/08/13(金) 21:37:36 ID:I2VB30uh0
えんべさん
帰省したついでに祖母にコトリバコ的な呪わしい因習話が無いかと聞いたら
残念ながら無かったんだけど、
伯父さんがそれ系の話を知ってたので書きます。

つっても、友達が犠牲になったとか、お寺で怒られながら御祓い受けたとか、
そういう直接的なものは無い。
昔、そういう奇習があったとさ、って話なので、
洒落にならんほど怖いかと言うと、首を傾げざるを得ない話なんだけど、
スレ的には興味深いかな、と思う。


196: 本当にあった怖い名無し:2010/08/13(金) 21:38:39 ID:I2VB30uh0

1980年代、伯父さんが都内の某大学生の時、某地方の文化調査で、教授の
フィールドワークに助手、というか荷役人夫として同行したそうな。
で、ある村落というか集落に猿の神様を祀る家があったらしい。
『えんべさん』だか『えーベさん』だか。取材相手が文字で書かれたのを
見た事が無いため、正式な発音や綴りは不詳。
とりあえず『えんべさん』という事にする。

この『えんべさん』の御神体は、何年かに一度、新しく作り変えられる。
その法則も不詳。

御神体の作成には、まず、甘酒を用意する。
酒といっても、おかゆみたいな、米の形が残っているデロデロの流体。
ご飯を水に入れて、そこに酒種を加えてかき混ぜて、埃よけに蓋して、
そのまま常温で放置という、大変にアバウトな作り方。

叔父さんも飲ませてもらったそうだけど、ぬるい甘さと仄かな酸っぱさに
米粒のニチョっとした食感が何とも言えず微妙な一品で、
貴重な体験ありがとうございましたって味だった模様。
ちなみに、この甘酒用の米には専用の田圃があったのだとか。


197: 本当にあった怖い名無し:2010/08/13(金) 21:40:28 ID:I2VB30uh0
甘酒が出来たら、桶に入れて山中に放置する。すると、猿が来てこれを飲む。
いい加減、酔っ払った頃を見計らって飛びかかり、フラフラの猿を捕まえる。
この時、お面を被って決して猿に顔を見られないようにする。
(以後、猿に接する時は必ずお面を被る)

捕まえた猿は竹篭に入れ、半月ほど甘酒だけで飼って潔斎(?)させる。
餌付けもされていない野生の猿だから、始めの内は見向きもしないけど、
その内に空腹に負けて口をつけるらしい。

潔斎が済んだら、竹篭の周りに犬を繋いで吠え掛からせ、
猿をビビらせるだけビビらせたところで、竹篭ごと俵に入れて土に埋める。
そして一年経ったら、骨を掘り出して洗って祀る。この時は素顔で行う。
自作自演で「助けてやったんだから恩を返せよ」という筋書きらしい。
そして古い方の骨は山に帰す。具体的には不詳。
これで不思議と農作物が鳥獣害から守られる。

特に秘事って訳でもなかったらしく、集落の他の家の人も普通に知っていて、
取材相手の証言の限りでは差別なんかも無かったらしい。
あるいは、他家もご利益に預かっていて、他の集落には秘密とかだったのかもしれない。


198: 本当にあった怖い名無し:2010/08/13(金) 21:43:25 ID:I2VB30uh0
太平洋戦争でその家の長男が出征して亡くなったあたりで、
御利益が無いと思ったのか、時代にそぐわないと思ったのか、
この奇習は行われなくなった。(と聞かされた由)

その『えんべさん』を祀っていた家はまだ続いていて、直接取材も試みた
けど、80年代にもなると流石に外聞の良い話じゃないので、
丁重に断られたそうな。

それで叔父さんは、こういう奇祭が昭和の中頃近くまであった事実に
感慨ひとしおでその村落を後にした。
大学に戻ると、叔父さんは教授から以下の仮説を聞かされた。

『えんべさん』の名前は、初めは猿から「えん」の発音が来ているのかと
思われたが、『えいベさん』呼称も考えると、恵比寿様を「えベっさん」
という言い方がある事から考え、こっちの方が由来に近いように思われる。
で、恵比寿は夷(異邦人)だから、本来は猿じゃなく旅人を使ってたんじゃないか、と。

山に帰されたという骨を調べれば何か分かったかもしれないが、それは
『えんべさん』の家が協力してくれない以上、調べようが無い。

教授の説の真偽は不明だけど、あるいは、世が世なら生きて帰れなかった
ところかも知れない、と叔父さんは笑ってました。

以上です。



276:
1/2:2010/08/14(土) 15:50:31 ID:1sqOXHD40
お父さん
堀井雄二がドラクエでブレイクする以前、雑誌のコラムで書いてた知り合いの子の話。
(桃鉄以前のさくまさんだったかも?まあどっちでもよろし)

彼女(仮にAちゃんとする)が住んでいた家の玄関はガラスの格子戸で、
腰掛けて靴を脱ぐところ、上がりかまちっていうの?そのすぐ後ろにも
すりガラスの引き戸がはまってた。だからAちゃんのお父さんが
「ただいまー」と帰ってきて靴をぬぐと、その影がすりガラスごしに見える。

お母さんは廊下に顔を出してその大きなシルエットに「お帰りなさーい」と
声をかけるのがいつもの光景だった。
だけどAちゃんが6年生のとき、お父さんは家で突然倒れて、そのまま
運ばれた先の病院で亡くなってしまった。
前ぶれもなく伴侶を失ったお母さんの悲しみようは深かった。

玄関のコート掛けには、倒れる前日、会社から帰ってきたお父さんが
ハンガーにかけた背広がそのままになっていた。いや、お母さんが
そのままにしていたのだ。まるでそうしていればひょっこりお父さんが
帰ってくるとでもいうように。

Aちゃんにもその気持ちはよくわかった。だけど、三ヶ月ほどたったある夕方、
背広を見ているうちにちょっとイタズラしてやろうという気持ちがわいてきた。
いつまでも泣いてちゃダメだよお母さん、お父さんだって浮かばれないよ、
という思いもあったのだろう。


277: 2/2:2010/08/14(土) 15:51:18 ID:1sqOXHD40
お父さんの背広をそっとはおって、格子戸をわざと大きな音をさせて開ける。
すぐさま上がりかまちに腰かけて靴を脱ぐしぐさ。
背広はブカブカだったけれど、夕陽に照らされてすりガラスに映った影は
お父さんのように大きく見えているはず…

「はーい、どちら様で…」 
お母さんが息を呑む気配がした。
「…あなた…なの?」

その瞬間、Aちゃんの胸に後悔の念がおしよせた。
その声は『お母さん』ではなく『夫に呼びかける妻』のものだったから。
ちょっとからかうつもりだったのに、心の底からお父さんが
帰ってきたと信じてる。
ごめん!お母さん!ほんとはアタシだよ!
あわててそう言ったつもりだった。

でも、口から出た言葉はちがった。

太い 男の声で

「 ただいま… 」



278:
本当にあった怖い名無し:2010/08/14(土) 16:15:22 ID:D68liI3V0
いい話じゃん



738:
本当にあった怖い名無し:2010/08/19(木) 18:38:27 ID:e4vlJzBVO
赤黒い空
印象に残っている実話

僕は実家の部屋にいました。退屈だな~と思いドライブでもすっか。
と外に出ました。空は晴れてドライブ日和でした。
エレベーターに乗りB1ボタンを押す、エレベーターは動き出しました。
5分前後は過ぎたんじゃないか?と思う程でした。


チーンと鳴り扉が開く、辺りはシーンと静まり返っていた。自宅から出た時は車や街いく人の
賑やかな音が聞こえていたけどな?と、多少気にかかったものの気にせず車に乗り さてドライブだ!

と表に出ると辺りは一面赤黒い空で見た事のない夕焼け?になっていました、

道に出てしばらく走ってても先ほどとは違い誰も居ない。
車もボロボロの廃車が点々と辺りに並んでいる、とゆうか灯りが無くハイビームにしないと、
とてもじゃないが走れない程の暗さ、
いつも見慣れ通り慣れた道が別世界にきたかのような
感覚に襲われ不安になりUターンし自宅に戻りました。


車から降りエレベーターに乗る、先ほど5分前後かかったかのように
感じた感覚は無く30秒ほどで8階につき扉が開く。

外は自宅を出た時と同じく晴れ空に賑やかな街並みも見下ろせた。
僕は別世界にいったのだろうか



807:
本当にあった怖い名無し:2010/08/20(金) 11:43:58 ID:4/bc++8q0
病院への道
数年前に務めていた病院ってのが東北のド田舎で、

山間にあったんだけど、ほんの少し一緒に働いてたおじさんに聞いた話。
大分昔の事だよーと前置きしてから話してくれた。

世間でいうお盆休み期間でも、病院に勤めてるとなかなかそういうのが取れない。
その日もいつもどおり業務を終えて病院を出ると終バス時刻まであと15分くらいだった。
病院を出て5分ほどの場所にある小さなバスの待合所の中は真っ暗だったので、
真っ暗な山道の中でほんの少しだけ外灯の明かりが届く外に出てバスを待っていた。

バスが来る方向を見ながらウォークマン(当時の事だからカセット式)を聞いていると、
町の方から一台の車が通りかかった。
おじさんの目の前で車が止まり、窓がサーっと開いた。
何だ?と思っていると、中から男の人が顔をだし、
「休みを利用して遊びに来たけれど、子供が熱を出してしまった。

救急病院に行こうとしてるのだが、道に迷ってしまった。
どこをどう行けば町に出られるか教えて欲しい」みたいな事を言ってきた。
車の中からはエアコンの冷気が外に溢れ出し、
蒸し暑い外にいるおじさんでさえ「寒っ」となってしまうくらいだった。

車に乗っていたのは、四人家族で運転席に父親、助手席に母親、
後ろの席に男の子(4歳くらい)が1人、その横にタオルケットをすっぽり被って横になっている小さな子がいた。
車内は暗くてよく見えなかったが、男の子はこの寒い車内の中、
タオルケットを被っている子を必死で扇いでいたそうだ。

おじさんは、「もうしばらく走るとUターン出来る場所があるから、
そこまで行って今来た道を戻って行ってくれ、途中で新しく出来た道路があるからそこをまっすぐ…」
と、親切に町まで出る道順と、どこに救急病院があるのかを教えたそうだ。
父親と母親は「助かりました、ありがとうございました」と行って、車を走らせた。
少しすると、バスが来たのでおじさんはそれに乗り込んで家に帰った。


808: 本当にあった怖い名無し:2010/08/20(金) 11:46:16 ID:4/bc++8q0
季節は過ぎて秋の山菜取りのシーズンになった。
地元の人は勿論、他の地域の人達も山菜を求めて山へやってくる。
その日もおじさんは仕事の為にバスで山道を通っていた。
すると、地元の警察がパトカーで何台も往復しているのが見えた。

「山菜取りに来て誰かが遭難したな」と思い、顔なじみの運転手に
「遭難でもあったのかね?」と話しかけると、
「いや、違うんだよ、今朝方ずっと向こうの山のほうで子供の死体が見つかった。」
と予想外の答えが返ってきた。

話を聞くと、死体を発見したのは山菜取りに来た人で、山の中で何かに転んでつまずいたらしい。
何だ!?と思って振り返ったら、一部が白骨化した子供の死体だったという。
どうやら、埋められていた子供の死体を野生動物がほじくり返したようで、
食べられたような後もあったそうだ。

犯人はそれからしばらくして逮捕された。
あの日、おじさんに道を尋ねてきた夫婦だったそうだ。
供述によると、「娘を出先でウッカリ死なせてしまった、
つかまるのが嫌で人目につかない場所に埋めた」そうだ。

おじさんは暫くショックを受けていたそうだが、ある日ふと気がついた。
「あの日、俺に町まで行く方法を聞いてきたのは、子供を助けたいからじゃなくて、
どこの道をどう行けば人目につかない子供を捨てられる所に行けるかを尋ねていたんじゃないだろか?」

そうだよな、おじさんの言う道と逆方向に行けば町から遠ざかるもんな。



816:
本当にあった怖い名無し:2010/08/20(金) 13:04:06 ID:OBRxZ5+0O
>>808
物凄いリアルで良かった



824:
本当にあった怖い名無し:2010/08/20(金) 15:43:49 ID:z+HFND2g0
お水ちょうだい
これは母方のバアちゃんから聞いた、バアちゃんが幼少の頃に体験したという話。


バアちゃんは3人兄弟の末っ子で、兄と姉がいた。
兄とバアちゃんは元気そのものだったが、姉は生まれつき身体が弱くて毎日病床に伏しており、
衰弱の為か声も出にくい為に用があると家族の者を鈴を鳴らして呼んでいた。

しかし両親は共働きで日中は家におらず、姉の面倒は妹のバアちゃんがしていた。
看病と言っても幼少の為に出来る事は大した事がなく、水や食事を運ぶ程度の事だったらしい。
姉の病状は回復の兆しも見えずに痩せ細り目は窪み、それはまるで死神のように見えたそうだ。

そんなある日の事
姉が震えるか細い声で、病床から兄に向かって言った。
「お水・・・ちょう・・・だい・・・」
それに対して兄は顔を顰めて
「やーだよ。ボクはこれから遊びに行くんだから」
と言い捨てて、さっさと家を飛び出してしまったらしい。

姉はその言葉がショックだったんであろう。顔を歪めて憎々しげにその姿を目で追っていたらしい。
そして今度はバアちゃんに顔を向けて
「○○ちゃん・・・お水・・・ちょう・・・だい・・・」
バアちゃんはその歪んだ姉の表情に突然恐怖心が込み上げてきたらしく
「わ、わたしも遊びに行ってこよー」
と逃げ出そうとしたその時、恐ろしい力で腕を掴まれて「死んだら・・・恨んでやる」と言われた。
バアちゃんは泣きながら「嫌だーっ!」と腕を振り解いて、外へ走り逃げてしまった。

それからバアちゃんは姉に近づく事なく過ごし、数週間後に姉は他界してしまった。



825: 本当にあった怖い名無し:2010/08/20(金) 15:45:03 ID:z+HFND2g0
それから数日後のバアちゃんが部屋に1人でいた時の事。
チリン・チリンと何処からか鈴の音が聞こえてきた。
バアちゃんはビクッとしながらもおそるおそる振り返ると、恨みの籠もった目でこちらを見る姉が立っていたそうだ。
それからというもの、バアちゃんが1人きりの時に姿を現しては、姉は恨みの視線を送り続けてきた。

しばらくの間は、バアちゃんも1人で耐えていた。
それというのも、姉は自分が水をあげなかった事が原因で死んでしまったと後悔していたからだ。
しかしあまりの恐怖に根を上げたバアちゃんは親に泣きつき、水をあげなかった懺悔を悔いて全てを話した。
それを聞いた母親は
「あなたのした事は酷い事だけれど、それが原因でお姉ちゃんは天国へ行った訳じゃないのよ。お母さんがお姉ちゃんに話してあげる」
と、抱き締めてくれたらしい。

その夜、バアちゃんを部屋に1人した母親は隣の部屋でじっと姉が現れるのを待っていた。
その時、母親にも鈴の音が聞こえたらしい。
バアちゃんの悲鳴と共に部屋へ入り
「○○ちゃん(姉)、もう○○(バアちゃん)の事を許してあげて。決して○○ちゃんの事がにくくて水を渡さなかった訳じゃないのよ。
好きだけど怖くなっちゃったんだって。それも全部○○ちゃんを置いて仕事していたお母さんが悪いの。だからこれからは、私のところへ出てらっしゃい」
そう叫んだらしい。

それからというもの、姉は出てこなくなった。
バアちゃんも姉が許してくれたんだと思い、私に話を聞かせてくれたんだと思う。



826: 本当にあった怖い名無し:2010/08/20(金) 15:46:15 ID:z+HFND2g0
そんなバアちゃんが1年前、心筋梗塞で亡くなった。
心よりご冥福をお祈りする。
と共に、私しか気づいていないかもしれない親族にもしていない話を追記する。

バアちゃんが亡くなったのは、バアちゃんから聞いていた姉の命日と同日。
そして亡くなったバアちゃんの腕に、手形らしきアザがあった。

何故、今頃に・・・
それはバアちゃんが亡くなった今、知りようもない謎である。



827:
本当にあった怖い名無し:2010/08/20(金) 16:12:45 ID:AMZkr4Sui
連れていかれたんだろうかね。




転載元http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1343150094/
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1285138410/
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1280254841/